天然ホルモン補充療法
Natural Hormone Replacement Therapy
達にとってホルモンバランスと健康は切っても切れない関係にあります。アンチエイジングの世界では、特に4つのアプローチ(ホルモンバランス、抗酸化、腸内環境、がん予防)が特に大切なのですが、その中でも真っ先に上げられるのが、ここでお伝えする「ホルモン」にまつわるアンチエイジングアプローチです。
ホルモンとは
ホルモンとは、体内において特定の器官で合成・分泌され、別の決まった組織や細胞でその効果を発揮する物質であり、情報を伝える重要な役割を担っています。
ホルモンを分泌する器官を内分泌器官と呼び、脳内の下垂体から成長ホルモンや、甲状腺から甲状腺ホルモン、卵巣や精巣から性ホルモン、副腎からコルチゾールやDHEAなどの特定のホルモンが分泌されます。
ホルモンは特定の標的器官に到達するとその表面にあるホルモン受容体(ホルモン・レセプター)に結合し、その指令を細胞内に伝えていきます。
たとえば、エストロゲンの受容体は子宮・卵巣以外にも脳や血管、乳腺、前立腺、骨組織など体内のあらゆる場所に存在し、作用しています。
ホルモンの分泌と年齢
ホルモンの分泌は、20代~40代をピークに上がり続け、その後年齢と共に低下していきます。老化や加齢に伴う多くの病気は、ホルモンが低下することによっておこると言っても過言ではありません。特に、卵巣機能が衰える45~55歳くらいから卵巣から分泌される女性ホルモンが減少し、いわゆる更年期の時期に入っていきます。ホルモンが減少すると、脳血流減少、代謝の変化、骨量の減少、動脈硬化など、様々な変化が生じます。例外として、副腎から分泌されるコルチゾールという名のストレスホルモンだけは、年齢と共には下がらないといわれています。
ホルモンの相互関係
特に重要なストレスホルモンであるコルチゾールは、他のホルモンよりも指令が強く働きますので、別名ホルモンの将軍と呼ばれています。コルチゾールに拮抗するような作用のホルモンが分泌されても、コルチゾールが大量に出ている間はその指令は効力を発揮できません。ですから、ストレスの強い方は、まずストレス軽減を行ってから全体のホルモンの調整を行っていく必要があります。
甲状腺ホルモンは、コルチゾールの影響を強く受けると言われています。また、女性ホルモンであるプロゲステロンと甲状腺ホルモンもリンクしています。
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、お互いにバランスを取りながら作用しています。プロゲステロンに対して、エストロゲンが優勢(いわゆるEstrogen dominanceの状態)になると、子宮筋腫や乳腺症などになりやすいと言われています。月経前に精神的に不安定になる月経前緊張症候群もホルモンバランスの崩れが原因です。
ホルモン分泌不足による症状とは
ホルモン補充療法とは
加齢と共にホルモンは何もしなければそのまま減少し続け、加齢に伴う様々な疾患へのリスクを増やし続けることとなってしまいます。
代謝は落ち、脳血流は減少し。肌は垂れ下がり、骨は脆くなり、血管は固くなるといった加齢性変化は、ホルモンが減ることにより起こると言われています。
らば、減少したホルモンを補ってあげればこうした変化を防げるのではないかということで始まったのが、ホルモン補充療法で、今日ではアンチエイジングにおいては、要になる治療に位置づけられています。
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